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なぜ鍛造(たんぞう)なのか

2019年04月26日(金)

昔はジュエリーの製造はほとんどがハンドメイド(手造り)でした。指輪など作る人は一般的に職人と呼び、ペンダントや小物の加工などの扱い人は飾り屋又は飾り職人と呼んでいました。
特に指輪を作る技術は素晴らしく、何もないところから印台や平打ち型、平甲丸型、甲丸型を作っていました。地金を溶解して、叩いて締めて、角棒状にしてリングに丸め、ヤスリで形状を作っていました。驚くほどの技術で現在のジュエリー職人では想像もつきません。最低でも5年、それなりに自分でも作れるようになるのには10年は修行時代が続きます。地金の性質も肌で解り、熱の色加減で温度や地金の耐久性が解るようになるのには30年、40年で一人前と認識されていました。おばーちゃんの指輪など昔の指輪が出てくることがあると思いますが、デザインこそ今と違いますが、しっかりとした作りです。仕上げこそ現在のように綺麗に仕上げていませんが製品的には素晴らしい出来栄えです。全てハンドメイドの鍛造製法だからなのです。

昔はハンドメイドの職人はたくさんいました。江戸時代からのキセルやかんざし、刀の装飾品や鍔(つば)など製造の流れから続いているのです。現在に至ってキャスト鋳造(ちゅうぞう)が一般的のジュエリーの製造法に取って代わりました。型への流し込み製法なので大量に一度に作れ、なおかつ原型さえ作っておけば色々なデザインなどが、何時でも、まったく同じ物を作れるようになりました。昔からの修行を積まなければ一人前にならない職人は数が減る一方になり、一年、二年で製造に携わるキャスト製法が主流になり、多くの若い人が製造分野に携わっています。昨今、純金や22金、20金などの指輪をほとんど見ることがありません。なぜならキャスト鋳造が主流だからなのです。型への流し込みなので地金そのものの硬度なので、柔らかく製品では難しいので、合金にして硬度を上げた商品を作っているからなのです。鍛造(たんぞう)製法ですと地金を溶解して叩いて締め、火入れして叩いては締め、を繰り返すことにより刀を作るように硬度が上がり、要するに焼が入った状態になり純金でも指輪として製品化できるのです。ものが溢れ、なんでもある時代だからこそ、ハンドメイドの鍛造(たんぞう)製法の指輪が脚光を浴びるようになりました。18金やPt900などの合金でも鍛造だと密度が締まり通常よりはるかに硬度が高く光沢もより一層輝きます。キャスト鋳造の多様性も良いのですが、一個一個手仕事の鍛造(たんぞう)製法こそ価値ある一品ものとして今だからこそ考えてみるのも大切なジュエリーだからこそ必要ではないのでしょうか。
近年海外から有名ブランドがマリッジリングを日本で展開が多くなりましたが、鍛造を売りにしている所もあります。プレス製法ですが、大きく括ると鍛造なのでしょう。何十キロ、何トンのプレスをド〜ンと一気にプレスします。ハンマーで叩いては伸ばし、叩いては伸ばしをするのとどちらが良いかわかりません。一気に圧力をかけるのと、徐々に締めていくのが地金に対してよいのかそれぞれの長所はあると思います。地金加工を40年以上やっているとプレス加工の地金はシャープでハンマーでの加工地金はやさしさが感覚として感じられます。




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