ジュエリー館について
2020年10月21日(水)
私どもはプロの製作集団です。簡単に言うと職人集団です。
40年以上の熟練職人が愚直にただひたすらに全てハンドメイドで指輪やバングル等を作り続けているのです。小細工をしたり、一部手作業を入れてハンドメイドという様な作り方もしません。黙々と地金を溶解して叩いては締め叩いては締める鍛造(たんぞう)製法にこだわり作っています。地金を見ただけで状態が解り火に入れた色見で地金がどんな状態にあるのか解ります。見たり手に持っただけで本物なのか偽物なのかも解ります。
鍛造製法は一見鍛冶屋の様です。火入れした地金をひたすらハンマーで叩いては締め密度の高い地金を叩き上げます。硬度ある地金にしてから各種のヤスリを使い分け製品を作り上げていきます。さらに硬質金属棒で表面を潰すへら掛けと言う作業をしていきます。へら掛けをしている商品と、していない商品では雲泥の差が出ます。強くピシッとした光沢が出て“どろん”と曇ったようにはなりません。熱管理も200度位から2000度ぐらいまでの幅を使いこなしています。地金の火入れした赤い焼け色を見て地金の状態を知ります。どの状態で叩くのか、どの状態で止めたらよいのか、長い経験と勘で解ります。
不思議なもので純金でも純プラチナでもインゴットから溶解し火入れして鍛造製法で作っていきますが、同じ純金でも純プラチナでも馴染まなく製品作りや仕上げに苦労することがあります。また逆にすんなり順調に仕上がりも良い時もあります。なぜか理由は解りません。同じ純金でも純プラチナでも持って生まれた質や時代や地球の要因で性質が違うのか解りません。馴染まなく納得がいかないときはその地金を置いておき新しいインゴットと混ぜ溶解すると、すんなりと滞りなく馴染、光沢も出て順調に進みます。これは全て機械に頼って作業をしている所では判らなく、想像もできないと思います。大手の地金商の工場の方とこんな話をすると皆さん同じ経験をしていて加工用の地金を製造するときはやはり古い地金を少し混ぜ馴染ませて加工することがあるそうです。
私たちジュエリー館は地金の様子、顔色を見ながら作業を進めていきます。最近はプレス商品も大儀で言う鍛造になりますので、鍛造製品として販売していますが、大きな重量でドンとプレスする方法はそれはそれでよいと思いますが地金の様子を見ることが出来ません。
私たちは地金と話をしているつもりで作業を進めていきます。何十年も前になる私共で作った商品を見かけることがあります。使い込んで傷がついていますがピシッとした製品で重厚な貴金属のたたずまいを残しています。手を抜かず一心に作り上げて良かったと思い、なお一層良いものを作ろうと新たに決意し直すことがあります。
決して手を抜かず一本一本丁寧に鍛造でハンドメイドにこだわりコストを省いたり時間を詰めたりせず、ただひたすら良い製品を作り続ける製造集団です。